高校入学式 新入生代表による宣誓
2020.04.11
宣誓 

 爽やかな春の風が、希望と共にこの場へと送り出してくれた今日の佳き日、私達304名は、百年の伝統ある土佐高等学校に入学します。様々な制約のある中、このような立派な式を開いてくださり本当にありがとうございます。

 今年は東京オリンピックが開催される年でしたが、新型コロナウイルスの影響により延期となってしまいました。世界中の人々が初めてのことに不安を抱き、混乱に陥っています。しかし、そんな今だからこそ、人と人とが助け合い、手を取り合っていく大切さを思い出すのではないでしょうか。何事も一人だけではできません。誰かに支えられて今の自分たちがいます。その方々への感謝の気持ちを忘れず、心に真善美の柱を持ち、周囲に目を配り、人のためになる行動をとりたいと思います。

 私は将来、医療関係の研究者となり、たくさんの人を助けたいと考えています。ですから、新型コロナウイルスに対して有効な対応策が見いだせない現状をとても歯痒いものに感じています。一方で、何もできない私自身の無力さも感じています。では、私が身につけるべきものは何か。

 今回の騒動で、理数系の学問だけを重点的に学べばいいわけではないことがよくわかりました。法律的な知識も必要です。政治や経済の流れも把握しておかなければなりません。文化を知り、豊かな語彙力を持たなければ、人に伝えることができません。基礎となる体力が無ければ何も成し遂げられません。人との繋がりを形成するために礼儀やコミュニケーション能力も必要です。そして何よりも、人としての毅然としたモラルを持たなければなりません。そのような総合的な「人間力」を培う最適な場所として、私たちは土佐高校を選びました。

 これから、勉強はハイレベルな領域に入り、部活動の練習もハードなものになります。世の中の情勢もまだまだ見通せません。様々な困難が目の前に立ちはだかることでしょう。しかし私たちは、「報恩感謝」の気持ちを忘れず、白線の誇りを胸に刻み、かけがえのない友人たちとの絆によって、何事も乗り越えてゆくことをここに誓います。

令和248日 新入生代表